停電リターンズ


夕方の6時35分頃、突然部屋中の電気が消えた。
ブレーカーが落ちるほどの電気は使っていなかったし、昨年の12/30にも停電があったので
今回も停電だろうな、と思った。ベランダに出てみると、案の定目に入る景色が全体的に暗い。
前回の停電は明け方の6時頃だったので、気付いてた人は少なかったのだが、何しろ今回は
ちょうど夕食時。団地のあちこちで、懐中電灯で周囲を照らして様子を窺ってる人がいた。
私はと言うと、こんな光景滅多に見られるモンじゃないとばかりに、のん気にケータイで
真っ暗な団地を写したりしてたのだが、電池の残量が少なかったので、撮ってる最中に
充電が切れてしまった。当たり前だけど、停電中だから充電も出来ないことに気付きガックリ。


前回の停電時、ブレーカーをちょっと上げ下げしただけで電気が復旧した、という経験を
していたので、今回も「夢よ再び!」とばかりに同じ行動をとったのだが、そう上手い具合に
物事が運ぶなら苦労はしないワケで…。何度も何度も繰り返したが、ウンともスンとも言わず。
諦めて、懐中電灯の電池を取り替えたりする。
そんなこんなで、そろそろ母親が買い物から帰ってきそうな時間だったのと、停電中の団地の空気を
ライブで(笑)味わいたいと思ったので、外に出てみることにする。非常用の電灯が点いてるとは言え
やはり暗くて不気味。この日吹いた春一番の影響か、ヤケに生暖かい空気がより一層不気味さを
際立たせる。何とも落ち着けない雰囲気の中、母親を待っていると、5分もしないウチに母親が
帰ってきた。話を聞くと、駅から近いこの団地が停電していることは、駅から見ても明らかで
これから帰宅する人達が「どーなってんの?」と戸惑っていたそうだ。
そんな人々の不安な気持ちをよそに、何だかちょっとテンションが高くなってきた私は
母親に付き合ってもらって、駅の方へ行ってみることにした。


駅前にはちょっとした商店街があるのだが、やはりどこも電気が消えていてお気の毒だ。
クリーニング屋さんの前で、その店の人が飼っている猫と戯れていると、帰宅途中らしい女性が
お店の人に「停電なんですか? 家に帰っても電気点かないんですか?」と尋ねていて、
お店の人は「そうよー、だから家に帰ってもムダよー」と応えていたのだが、私のように
ふざけた理由で外に居るならともかく、一旦帰宅して落ち着いた方がいいと思うんだけどなぁ…。
私らも一旦家に戻ろうとしたのだが、けたたましくサイレンを鳴らす車が何台も団地の周辺に
集まってきたので、「テロだテロだー!」などと不謹慎なことを口にしつつ、音のする方に
行ってみることに。その道中も「もし今電気が一斉に点いたら、カウントダウンパーティー
みたいじゃね? 3・2・1・ゼロ!みたいなさー」
というアホ丸出しの発想をする自分に
ちょっと反省。オバサン、ちょっと落ち着けや。


道路側に出てみると、サイレンを鳴らしていたのは消防車やパトカーではなく、東京電力の車だと
いうことが判明。良く考えたら当たり前だわね^^;。この辺でトイレに行きたくなったので、一旦
家に戻ってから改めて散策することにする。途中、通りすがりの女性が「マンションの
建設現場で何かあったみたいですよ」
と教えてくれたので、トイレを済ませたら早速その
建設現場に向かおう、ということに。
ここらで一発姉に「今、停電でーす♪ イエー!」というメールでも送りたいと思ったのだが、
充電が切れてる以上どーにもならなくてもどかしい…。


家を出てすぐに「どうせなら、電気が点く瞬間見たいよねー」などという話をしていたら、
そのとたん本当に電気が点いたので焦った^^;。停電していた時間は約45分。前回停電した時より
復旧が遅かったので、軽口叩きながらも「このまま一晩中復旧しなかったらどうしよう…」という
気持ちが芽生え始めていたから、ホッと一安心。…しかし、電気が点いたワリには思ったより
明るくなくてちょっとガッカリ^^;。自分が想像してたのは、もっと「おぉー!」と思わず声を
上げてしまうような、光溢るるドラマチックな展開だったんだけどなぁ。←どこまで能天気だ自分


ウワサの建設現場に着くと、何台もの東京電力の車が停まっていた。見たトコロは、建設現場が
焼けてたりといった様子は見られず、何が原因なのかと思っていたら、近くにいた人がケータイで
「建設現場のクレーンが、電線に接触したんだって」と話しているのが聞こえた。
確かにその現場にはクレーンがあったのだが、そう言われてもそのクレーンは電線に接触するほど
傾いているようには見えなかった。逆を言えば、こんなほんの少しの接触でも団地全体が
45分も停電するだなんて、随分危いシステムなんだなぁ、と思った。


電気は復旧したし原因も解ったし、ということで、スッキリした気持ちで家に戻ることができた。
月並みだけど、電気のありがたみを実感できた出来事だった。テレビが見られるって、素晴らしい
ことなのね(^人^)。